2007 Fiscal Year Annual Research Report
社会復帰と規律-ヴァイマル期ドイツ(1919-33)の監獄改革と犯罪生物学の研究
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07J08781
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 公紀 The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 近現代史 / 監獄 / 犯罪学 / 福祉国家 / ドイツ / ヨーロッパ |
Research Abstract |
報告者は、まず研究実施計画にそって国外で史料収集を行った。具体的には、2007年9月25日から11月20日までドイツに滞在し、ベルリン(ベルリン州立文書館、ベルリン連邦文書館、国立図書館)、ヴァイマール(チューリンゲン州立中央文書館)、マイニンゲン(チューリンゲン州立マイニンゲン文書館)、コブレンツ(コンブレンツ連邦文書館)、ミュンヒェン(バイエルン州立文書館、バイエルン州立図書館、州立ミュンヒェン文書館)の各都市の文書館を訪れ、研究対象であるヴァイマル期の監獄制度に関する文書を精力的に収集した。また、この途上、ハレ大学において開かれた日独共同大学院プログラム学生セミナー(10月4日〜10月12日、URL:http://igk.c.u-tokyo.ac.jp/)に参加し、ワークショップにおいてドイツ語で報告し、研究者との活発な意見交換を行った。この滞在を実現するために、日独共同大学院プログラムからの出資とともに、科研費から約32万円の支出を行なった。次いで、報告者は論文計2本(内、ドイツ語論文1本)、口頭発表計4本(内、海外で報告1本)の研究成果を公表した。概要を述べると、まずヴァイマル期に監獄制度に導入された「犯罪生物学」の発展とその矛盾について扱った報告を学会において行い、また専門論文として発表した。次に、外国語での研究成果として、それを発展させた内容をドイツ語で報告した。また、将来的な研究を見据えて、戦後ドイツにおける「保安処分」-政治犯をその危険性の観点から「予防的に」拘束するためにナチ期に導入された-の存廃の経緯を論じた論考を執筆した。 こうした成果を生み出すために必要な研究基盤整備のために、デスクトップPC(約16万円)、レーザープリンタ(約5万円)、スキャナ(約4万円)の購入費を科研費から支出した。また、書籍購入費(主に日本語)として8万円を支出した。以上、研究はおおむね順調に進んでおり、博士論文の完成に向けて着実に歩んでいるといえる。
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Research Products
(6 results)