2008 Fiscal Year Annual Research Report
シアノバクテリアを用いた炭素・窒素・硫黄代謝間相互作用機構の解明
Project/Area Number |
07J08783
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小山内 崇 The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | シアノバクテリア / シグマ因子 / 転写 / 糖代謝 / メタボロミクス |
Research Abstract |
シアノバクテリアは、酸素発生型光合成を行う原核生物の一群である。淡水性シアノバクテリアSynechocystis sp.PCC 6803(以下Synechocystis)は、マイクロアレイ、酵母ツーハイブリッドスクリーニングによる網羅的タンパク質間相互作用の解析など、ポストゲノム解析が進んでいる。過去に我々は市Synechocystisゲノムにコードされる9つのシグマ因子の内の1つSigEが、糖異化遺伝子群の発現を正に制御することを見出している(Osanai et al.,2005)。本研究では市SigE結合タンパク質ChlHの同定およびSigE過剰発現株の解析を行った。酵母ツーハイブリッド法を用いた解析より、SigE結合タンパク質としてマグネシウムキラターゼHサブユニットChlHが得られた。In vitroにおいて、ChlHとSigEがマグネシウムイオン依存的に結合すること、またIn vivoにおいて、明条件下で結合し、暗条件下で解離することが明らかになった。またIn vitroにおける転写再構成実験より、ChlHはSigEの転写活性を抑制することが明何なった。これは、ChlHがSigEのアンチシグマ因子であることを証明するものである。本結果は、代謝酵素がアンチシグマ因子の役割をする初めての例であり、また、酸素発生型光合成生物における初めてのアンチシグマ因子の発見でもある(Osanai et al.Proc.Natl.Acad.Sci.USA.in press)。また、SigE過剰発現株を用いた解析では、SigEタンパク質量が増加すると、糖異化酵素遺伝子のmRNA量、タンパク質量が増加することがわかった。生理学的表現型としては、暗条件下で生存率が低下することが明らかになった。SigE過剰発現株では、炭素の貯蔵源であるグリコーゲン量が減少していたため市これが原因となった、暗条件感受性になったと思われる。今後は、メタボローム解析により、実際の代謝産物の変動を調べていく予定である。
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Research Products
(6 results)