2008 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ熱流体中の移動現象の多変量センシングシステムの開発
Project/Area Number |
07J08799
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
一柳 満久 Keio University, 理工学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | マイクロチャネル / 共焦点顕微鏡 / 電気浸透流 / 電気泳動 / マイクロ粒子画像流速計 / レーザ誘起蛍光法 / 超音波 / 物質制御技術 |
Research Abstract |
微小流動場における化学反応を伴うイオン拡散輸送現象のセンシングとコントロールを併用することより,二流体混合プロセスの制御が可能となる新たなマイクロ流体デバイスの構築を最終的な目的とする.これを実現するためには,微小流動場における多変量同時計測法の開発,実流動場の詳細な解明および流動や物質制御技術の確立が必要不可欠である.昨年度の研究において,流体速度およびイオン濃度分布の同時計測システムを構築し,二流体混合流動場および化学反応場の対流および拡散の定量的評価を実現するに至ったため,本年度は微小流動場における流動および物質制御技術を確立することを目的とした.流動制御技術には近年注目されている表面改質法を採用しており,この手法の大きな特徴は部分的に表面改質剤の単分子膜形成が可能であるためゼータ電位のパターニングが容易に作製できる点にある.従来の研究より,非一様なゼータ電位分布を有する微小流路内の流れは三次元流れが生じることで二流体混合の促進に役立つことが明らかとなっているが,定量的に速度分布やイオン濃度分布を計測した例がほぼ皆無のため,本質的な流動制御技術にまでは至っていない.上述の問題を解決するため,昨年度開発した速度およびイオン濃度の同時計測システムを用いて,非一様なゼータ電位分布を有する微小流路内の流動特性および定量的な混合評価を行った.これらの結果は,MEMS分野の代表的な学術雑誌であるJournal of Micromechanics and Microengineeringに掲載決定した(Ichiyanagi et al.2009a). さらに本年度は,物質制御技術の確立を目的として,音響放射力(超音波)を用いた微粒子分離技術の開発に従事した.これにより,遠心分離器を使用せずに,幅300μm程度の流路内において連続的に数μmの粒子と10μm程度の粒子の分級に成功した.これらの結果は,流体工学分野を広く網羅した学術雑誌であるJournal of Fluid Science Technologyに掲載された(Ichiyanagi et al.2009b).
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Research Products
(6 results)