2007 Fiscal Year Annual Research Report
がん患者の不確実性な情報に対する情報処理過程の解明と認知行動療法的介入法の開発
Project/Area Number |
07J08819
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Research Institution | National Cancer Center Research Institute and Research Center for Innovative Oncology, National Cancer Center Hospital East |
Principal Investigator |
藤森 麻衣子 National Cancer Center Research Institute and Research Center for Innovative Oncology, National Cancer Center Hospital East, 精神腫瘍学開発部, 特別研究員(PD)
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Keywords | がん / 不安 / 認知的情報処理 / バイアス / 脳機能 / MRI |
Research Abstract |
一部の初期がんを除いては未だ根治不能であり、そのため、いわゆる「がん告知」は多くの人にとって衝撃である。がんの経過は個別性が大きく、がん告知時に提供されるがんに関する情報は不確実性が高い。疫学調査によって、がん告知後のがん患者は不安や抑うつを主訴とする適応障害、大うつ病が5-40%と高いことが示されている。また情報処理研究から、不安が高いあるいは不安喚起状況下で人は、認知的バイアスにより曖昧な情報をネガティブに評価することが示唆されている。また認知的情報処理過程の脳内機序は、これまでの研究から扁桃体、及び帯状回のネットワークが関与していることが推測されているが、未だ不明である。そこで本研究では、(1)不確実性の高い情報提示後のがん患者の不安・抑うつと認知的バイアスの関連を検討すること、(2)がん患者の不安・抑うつの低減するために、認知的バイアスの改善に焦点を当てた介入法を開発することを目的とする。 平成19年度は、研究目的(1)について、ストレス負荷時の認知的バイアスを脳機能の側面から明らかにすることを目指し、MRIを用いた実験研究計画を作成した。また、実験系を確立するために、脳形態測定のための基礎的パラメータの設定とfunctional MRI実験で用いる課題の実施可能性を検討した。健常成人10名を対象に、GE社製3Tesla MRIを用いて、脳機能及び脳形態を撮像した。脳形態の基礎パラメータとして、Flip角度、Prep timeを決定した。また、functional MRI課題の妥当性、信頼性を検証した。
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