2007 Fiscal Year Annual Research Report
高齢期の社会的不平等とそのライフコース的要因に関する量的・質的分析
Project/Area Number |
07J08854
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
斉藤 雅茂 Sophia University, 大学院・ 総合人間科学研究科, 特別研究員(DCZ)
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Keywords | 社会的不平等 / 社会的孤立 / 一人暮らし高齢者 / 訪問面接調査 / 量的分析 |
Research Abstract |
高齢期の社会的不平等の諸側面のなかでも、社会関係上の不平等である社会的孤立に焦点をあて、平成19年度には、一人暮らし高齢者を対象にした訪問面接調査を実施した。調査は東京都板橋区のなかで商業集積地の特徴がある地域でおこなった。対象者の選定は、選挙人名簿から系統抽出法によっておこなわれた。420名を対象にした結果、実際には一人暮らしでなかった77名を除き、170名から有効回答(回収率49.6%)が得られた。回答者の平均年齢は74.8歳、男性が48名(28.2%)、女性が122名(79.7%)であった。 回答者には、家族、友人や近所の人を含めて「親しくしている人」を最大で10名まで挙げてもらい、その1人ひとりについて、現在の交流頻度をたずねた。孤立状態の操作的基準として、親しい人が1人もいない、あるいは、1人以上いるがその人たちとの対面接触頻度と非対面接触頻度のいずれもが月に1回程度以下の人を孤立と定義した。 この結果、回答者のうち、21名(12.4%)が孤立に該当することが確認された。また、孤立に該当する高齢者は、男性が多く、婚姻経験では未婚者と離別者が多いことが示された。ちょっとした用事をしてくれる人、看病や世話をしてくれる人については、孤立に該当する高齢者は、1人もいないという回答が圧倒的に多いことが確認された。 平成20年度においては、上記の面接調査の具体的分析を行い、主に高齢者の社会的孤立のライフコース的要因についての質的・量的分析に取り組むこととする。
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Research Products
(3 results)