2007 Fiscal Year Annual Research Report
触媒金属ナノ粒子及びそのナノ構造に依存した硫黄被毒回復反応に関する研究
Project/Area Number |
07J08872
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
野本 豊和 Nagoya University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | 共吸着反応 / 硫黄被毒回復 / ロジウム / 含硫黄分子 / ナノ構造 / アルミナ / X線光電子分光 / X線吸収微細構造 |
Research Abstract |
第一として、含硫黄分子と酸素・水の共吸着反応について明らかにした。触媒金属が実際に硫黄被毒を受ける環境は酸素や水を含んだ排気ガス中であり、それらを含んだ環境下での被毒メカニズムを明らかにする必要がある。また、硫黄被毒を受けたRh表面の被毒回復には、酸素吸着種と含硫黄分子との相互作用が重要であることがわかっている。そこで、酸素吸着種として自動車排気ガス中に多く含まれる酸素(O_2)および水(H_2O)と硫化ジメチル:(CH_3)2_Sの共吸着反応とその温度依存性を明らかにした。研究結果として、これらの酸素吸着種は硫化ジメチルの解離反応に大きな影響を与えることがわかった。特に、水は硫化ジメチルの昇温に伴う解離反応を大きく促し、被毒を促進させることが明らかとなった。 第二として、Rhナノ構造試料の作製の為に用いるRh蒸着源の設計、立上、調整を行った。また、本研究では、Rhナノ構造試料の作製(真空蒸着法)、試料表面で起こる分子吸着反応(XPS)、試料表面の形状の観察(原子間力顕微鏡:AFM)という一連の実験を速やかに行う必要があるため、プレパレーションチャンバからXPS測定チャンバへの試料の輸送、試料の冷却・加熱、試料表面の温度測定が同時に行えるように試料ホルダめ改良を行った。これらのシステムを用い、自動車排気ガス浄化触媒への応用の観点から、アルミナ:A1_2O_3表面上へのRhナノ構造の作製を試みた。今後は、その表面で起こる分子吸着反応について明らかにし、研究成果発表を行う予定である。
|
Research Products
(10 results)