2008 Fiscal Year Annual Research Report
触媒金属ナノ粒子及びそのナノ構造に依存した硫黄被毒回復反応に関する研究
Project/Area Number |
07J08872
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
野本 豊和 Nagoya University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 硫黄被毒 / 被毒回復 / 含硫黄分子 / ロジウムモデル触媒 / ナノ構造 / 原子間力顕微鏡 / X線光電子分光 / X線吸収微細構造 |
Research Abstract |
まず、昨年度に作製と立上げ調製を行ったRh蒸着源および試料トランスファシステムを用い、Al_2O_3/NiAl(100)上にRhを蒸着したRhモデル触媒基板の作製を行った。作製したモデル触媒表面に対し原子間力顕微鏡(AFM)測定を行い、作製時の加熱温度による表面構造の変化を調べた。その結果、Al_2O_3薄膜上に蒸着されたRhはナノメーターサイズのクラスターを形成しており、加熱温度上昇に伴ってRh粒径の成長、Rhの基板中への固溶が起こることを明らかにした。 次に、加熱温度を制御して作製したRhモデル触媒基板の表面に含硫黄分子(硫化ジメチル)を吸着させ、分光学的手法により解離反応を調べることで基板表面の解離活性を評価した。その結果、硫化ジメチルの解離反応に対しRhが活性点となること、およびRh粒径の変化に伴って解離活性も変化することが明らかとなった。本研究では更に、硫化ジメチル分子の解離の後、Rhモデル触媒表面に残留した原子状硫黄の除去についても検討した。この結果からは、Al_2O_3薄膜上に担持されたRhに吸着した硫黄は、Rh単結晶表面に吸着したものに比べて表面からの除去が困難になることが分かった。このような解離活性、および硫黄とRhの結合力の向上はRhがナノ構造化されることによる高活性な吸着サイトの形成(例えば、step-edge構造など)によるものと推測された。 以上得られた結果は、硫黄被毒とその回復のメカニズムを解明するための知見として、また触媒金属のナノ構造化による反応コントロールの可能性を見出した点で重要である。
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Research Products
(10 results)