2008 Fiscal Year Annual Research Report
無視不可能な欠測を含むデータに対する多群構造方程式モデルの適用
Project/Area Number |
07J08879
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮崎 慧 The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(DC1
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Keywords | 心理統計学 / 項目反応理論 / セミパラメトリック推定法 |
Research Abstract |
本年度の研究計画は、項目反応理論、セミパラメトリックベイズ法、一般化線形モデルなど心理統計学・行動科学における様々な方法・モデルを対象としていた。そのため統計学関連の書籍の充実が引き続き必須であった。上記研究環境を整えた上で、心理学において最も使用頻度の高い項目反応理論モデルにおいて等化の新手法を開発した。項目反応モデルでは項目プールと呼ばれる、パラメータが予め推定されている項目を用意する必要がある。項目プールが豊富であるほどきめの細やかなテストを構成することが可能であり、項目プールを充実させるためには、母数を互いに比較可能な状態にしなければならない。これを等化という。本年度の前半は本提案手法を実データに適用し、本手法により、効果的なテスト運用ができることを示した。また母集団の異質性に対応できるセミパラメトリックな項目反応モデルを引き続き開発した。教育心理学研究や行動科学全般を通じて、異なる集団間の比較は心理学・教育学研究における最大の関心の一つであるが、本研究員の開発した手法は抽出・比較する集団数の上限を設定する必要がなく、かつ求めたい被験者の能力値を推定できるものである。他に関心のある2変数の回帰関係決定法、一般化線形モデルにおける下位母集団数の決定とモデル選択を同時に行う方法を開発した。方法の浸透をはかるため、心理学関連も含めたそれ以外の行動科学・社会科学など上記の手法を用いる他分野の学会・研究会等にも参加し、またフィードバックを研究・開発に役立てた。それと並行して論文執筆を行い、成果の一部を掲載した。本研究の遂行に当たり、論文の校閲費、発表のための海外渡航費を科学研究費にて賄った。
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Research Products
(8 results)