2008 Fiscal Year Annual Research Report
ホウレンソウ糖脂質画分の抗がん機能性食品開発へ向けた基礎研究
Project/Area Number |
07J08952
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
前田 尚輝 Kobe Gakuin University, 食品薬品総合科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 抗腫瘍 / 糖脂質 |
Research Abstract |
本年度は,ホウレンソウ糖脂質画分について経口投与によるその抗腫瘍作用を中心に評価した。ホウレンソウ糖脂質画分中に含まれるグリセロ糖脂質は,野菜や果物などから日常的に摂取しているため,経口投与による機能性を明らかにすることは意義が大きい。そこで,ホウレンソウ糖脂質画分の経口投与による抗腫瘍活性試験を行った結果,糖脂質画分経口投与群はコントロール群と比較して有意に抗腫瘍作用を示した。そのため,投与試験終了後のホウレンソウ糖脂質画分経口投与群およびコントロール群の腫瘍組織を組織病理学的に解析した。その結果,糖脂質画分経口投与群はコントロール群に比べ,増殖マーカーであるPCNAおよびKi-67の発現を抑制し,血管新生を抑制したため,ネクローシスを誘導して抗腫瘍作用を示したと考えられた。また,ホウレンソウ糖脂質画分は粘度が高く扱いにくい性質をしているためシクロデキストリンを用い包接物を調製した。このシクロデキストリンホウレンソウ糖脂質画分包接物の経口投与によっても同様に,抗腫瘍作用を強く示した。さらに,がん細胞移植前にホウレンソウ糖脂質画分を経口投与したところ,糖脂質画分経口投与群はコントロール群に比べ,腫瘍形成速度を低下させた。 また,安全性の検討は抗腫瘍効果の測定と同様に重要であるため,ホウレンソウ糖脂質画分経口投与による単回投与試験を行った。その結果,ホウレンソウ糖脂質画分経口投与群はコントロール群に比べて一般状態,体重や臓器重量の変化は観察されなかった。
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Research Products
(4 results)