2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J08983
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
森本 有紀 The University of Tokyo, 先端科学技術研究センター, 特別研究員(PD)
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Keywords | 染色 / 染め物 / 拡散 / NPR / 布 / 折り紙 |
Research Abstract |
当初の研究計画ではNPR染め物の表現研究と、それをユーザが簡単に操作し染色模様を作り出す一連のシミュレーションシステムの研究開発を目的とし、2008年度に布内での拡散など基礎となる研究を行った。2009年は以下のモデル・手法などを提案・構築する計画が立てられていた。 (1)各種伝統的名染色技法のシミュレーションモデル:当初、(a)手描き友禅など筆による描画、(b)絞り染め、(c)ろうけつ染めなどの研究開発を当初の計画としていたが、(a)(c)に関しては大きな発展はなかった。(b)についてはクロス・シミュレーションの導入を検討していたが、絞り染めに適した密な布の接触状態などをシミュレーションで作るのは難しいと判断された。よって手法を変え、折り紙シミュレーション・ツールを使用し、折り畳の要素を取り入れた3次元形状を用い、絞り染めのシミュレーションを行った。結果として絞り染め手法の特徴を持った画像を作ることができた。最も新奇性の高い(b)の研究が進み、目的に近い結果が得られたのは重要である。 (2)今までに構築した全てのモデルをユーザが簡単に操作できる統合的インターフェース:これについては(1)の研究結果とともに逐次開発を行っている。現状では、絞り染めのための布形状変形は既存の折り紙シミュレーションソフトを使用して3次元データを作り、それを染色システムで読み込み、その後の染料を与えることによってシミュレートしている状態である。今までの拡散システムに読み込んだ折り布を表示し、その表示に対してマウスで染料を与えるなど、直感的な操作は少しずつ実装されている。 また、新しく取り入れた折り紙のメカニズムと染料拡散を組み合わせるにはいくつかの新しい問題があり、解決する意義のある研究題材と考えられる。
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Research Products
(4 results)