2007 Fiscal Year Annual Research Report
エナンチオ選択的芳香環構築を鍵とする軸不斉ホスフィン配位子の合成
Project/Area Number |
07J08995
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
西田 剛士 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・工学府, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 軸不斉 / ビアリール / 付加環化反応 / 配位子 / ロジウム / 芳香族化合物 / ホスフィン / 不斉合成 |
Research Abstract |
これまで光学活性軸不斉ビアリールホスフィン配位子の実用的な不斉合成法として従来、光学分割法や不斉クロスカップリング反応等が主に用いられてきた。しかし、これらの既存の不斉合成法では、ビナフトール誘導体以外の高度に官能基化されたビアリールホスフィン配位子の合成は困難であるため、一般性の高い実用的な不斉合成法の開発は重要な研究課題であった。そこで本研究では、カチオン性ロジウム/BINAP系錯体触媒を用いた[2+2+2]付加環化反応にアルキニルリン化合物を使用し、従来法よりも短工程かつ一般性の高い革新的光学活性ホスフィン配位子合成法の開発を目的とした。本年度は、軸不斉単座ホスフィン配位子の合成を試みた。その結果、カチオン性ロジウム/(R)-H_8-BINAP錯体触媒を用いて、対称及び非対称1,6-ジインと2-ナフトールから誘導されるアルキニルリン化合物を反応させると、極めて高い収率及びエナンチオ選択性で、光学活性単座ホスフィン配位子の前駆体である光学活性オルト四置換軸不斉ビアリールリン化合物が得られた。 さらに、近年注目されているP-キラルホスフィン配位子の前駆体である、P-キラルホスフィンオキシドの合成も検討した。その結果、カチオン性ロジウム/(R)-DTBM-Segphos錯体触媒存在下、対称ジアルキニルホスフィンオキシドと対称1,6-ジインを反応させると、不斉非対称化反応が進行し、P-キラルアルキニルホスフィンオキシドが高収率かつ高エナンチオ選択的に得られた。 これらの合成された光学活性ホスフィンオキシド誘導体は、シラン還元などにより目的のホスフィン配位子へと誘導することで、様々な不斉触媒反応の適用が期待できる。
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Research Products
(14 results)