2009 Fiscal Year Annual Research Report
エナンチオ選択的芳香環構築を鍵とする軸不斉ホスフィン配位子の合成
Project/Area Number |
07J08995
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
西田 剛志 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・工学府, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 軸不斉 / ビアリール / 付加環化反応 / 配位子 / ロジウム / 芳香族化合物 / ホスフィン / 不斉合成 |
Research Abstract |
これまで光学活性軸不斉ビアリールホスフィン配位子の実用的な不斉合成法として従来、光学分割法や不斉クロスカップリング反応等が主に用いられてきた。しかし、これらの既存の不斉合成法では、ビナフトール誘導体以外の高度に官能基化されたビアリールホスフィン配位子の合成は困難であるため、一般性の高い実用的な不斉合成法の開発は重要な研究課題であった。そこで本研究では、カチオン性ロジウム/BINAP系錯体触媒を用いた[2+2+2]付加環化反応にアルキニルリン化合物を使用し、従来法よりも短工程かつ一般性の高い革新的光学活性ホスフィン配位子合成法の開発を目的とした。 本年度は、昨年度までに開発した反応のメカニズム解明並びに合成した配位子前駆体のホスフィン配位子への誘導を検討した。その結果、カチオン性ロジウム/BINAP系錯体触媒を用いた[2+2+2]付加環化反応における軸不斉発現要因について、多くの有用な知見を得ることができた。また、シラン還元などにより目的の軸不斉ホスフィン配位子へとラセミ化を起こさずに誘導できることがわかった。しかし、P-キラルホスフィンオキシドのP-キラルホスフィン配位子への還元については、残念ながら成功には至らず更なる条件検討が必要であることがわかった。
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Research Products
(1 results)