2009 Fiscal Year Annual Research Report
「国際衛生条約(1926年)」の東アジアへの影響に関する研究
Project/Area Number |
07J09004
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
福士 由紀 Aoyama Gakuin University, 文学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 国際衛生条約 / 海港検疫 / 中国 / 東アジア / 上海 / 国際連盟 / 極東熱帯医学会 |
Research Abstract |
本研究の目的は「国際衛生条約(1926年)」策定に至るプロセス、策定された内容、およびこれをめぐって近代中国・近代日本が果たした役割や、受けた影響を考察することを通して、両大戦間期東アジアの公衆衛生をめぐる国際環境の構造的特徴を明らかにすることにある。 本年度は、(1)「国際衛生条約(1926)」の中国の公衆衛生整備への影響について、および(2)「国際衛生条約(1912)」の改正に対してヨーロッパ社会よりも早い段階から議論を行っていた東アジア社会の動向について検討することを目的としていた。 (1)に関しては、本年度は国内では東洋文庫、国立国会図書館など、海外では香港、マカオ、広東省において資料調査を行い、1926年広東での国民政府による検疫事業の実質的恢復をめぐる政治・社会・経済状況を明らかにした。本成果の一部は、"Quarantine Service in Modern China"と題し、2009年8月、韓国・大田で開催されたInternational Convention of Asian Scholars 6で発表した。 (2)に関しては、本年度は国立国会図書館、一橋大学経済研究所、上海図書館などで資料収集を行い、19世紀末~20世紀初頭の近代日本の東アジアの海港衛生問題に対する認識を明らかにした。本成果の一部は「1920年代東アジアにおける国際衛生事業と上海」『社会経済史学』75巻3号に掲載予定であり、また「近代東亜的海上交通與海港衛生」と題し、2010年3.月、上海交通大学で開催された東亜環境史研究会でも報告した。
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Research Products
(3 results)