2007 Fiscal Year Annual Research Report
ヘテロポリ酸-無機ナノシート複合化による高機能光触媒の作製と有機フッ素化合物分解
Project/Area Number |
07J09009
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
柳田 さやか Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 光触媒 / 酸化チタン / ヘテロポリ酸 / 空気浄化 / タングストリン酸 / 電荷分離効率 / 有機物分解 / スカベンジャー |
Research Abstract |
ヘテロポリ酸は強力な酸化力を有する固体酸であり、また有機分子を吸着・吸収する性質を持つ。本研究ではヘテロポリ酸の一種である12-タングストリン酸と酸化チタンのナノ粒子・ナノシートを複合化して高機能光触媒を作製し、酸化チタン単体では分解が困難な有機フッ素化合物を分解することを目的としている。不均一系で用いられることの多いヘテロポリ酸触媒であるが、セラミックス粒子と複合化することで気相系の有機物分解に適用することが可能となる。このような系では12-タングストリン酸による有機物の吸着効果が期待されるほか、12-タングストリン酸のスカベンジャー効果により酸化チタンの電荷分離効率が上がり、分解活性が向上することが期待される。 本研究では試料の作成方法として交互積層法(LBL法)を採用した。基板を酸化チタンナノ粒子(d=6nm)の懸濁液とタングストリン酸水溶液に交互に浸漬させることで、二種の物質が交互に堆積した透明な光触媒薄膜を作製した。2-プロパノールを用いて光触媒活性の評価を行ったところ、2層積層試料(15nm)で複合体は酸化チタン膜の約二倍の活性を示した。12-タングストリン酸の気相における光触媒活性はごく低いことから、複合化による活性向上が起こったと考えられる。6層積層試料においては、2-プロパノールの分解速度は2層の場合と同程度であったが、アセトンに関しては膜厚の増加と共に分解速度が増加した。有機物の種類によっては、膜の内部も何らかの形で分解に関与すると考えられる。
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Research Products
(10 results)