2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J09031
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
石田 知己 Kyushu University, 大学院・医学研究院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | GC / MS / スクリーニング / NAGINATA^<TM> |
Research Abstract |
現在我が国では、乱用薬物が広く浸透しており、法医鑑定および救急医療現場において乱用薬物の摂取が頻繁に見受けられる。しかしながら、摂取薬物の確認分析のための分析用標準物質は厳格な法規制により分析者でも入手困難である。これにより、その後の治療および正確な鑑定に多大な支障をきたしている。本研究は、標準物質を必要としない迅速一斉スクリーニング法の確立を目的に行った。1.分析対象薬物を覚せい剤類および覚せい剤原料6種、MDMAなどの覚せい剤類似薬物7種、ベンジルピペラジン類4種、マジックマッシュルームの幻覚成分サイロシンを含むトリプタミン類5種、フェネチルアミン類4種、麻薬性鎮痛薬4種、計30種とした。入手困難な薬物は海外から輸入および合成により入手した。2.これらの薬物を添加した尿からの固相抽出カラムFocusを用いた迅速簡便な抽出法および誘導体化法を考案した。3.尿からの抽出物を高感度に分析可能なGC/MSの分析条件を決定した。4.この分析法より得られた薬物情報(保持時間、質量スペクトル、検量線)をGC/MS用制度管理・相対定量ソフトウェアNAGINATA^<TM>を用いて「乱用薬物データベース」を作成した。5.この「乱用薬物データベース」を用い、薬物自動検索を行うことで標準物質を用いることなく定性・定量分析が可能となった。6.過去に精密な定性・定量分析が行われている試料を用いて、考案したスクリーニング法を検証したところ、定性分析において矛盾はなく、標準物質を用いた定量分析より得られた定量値と比べても50〜150%以内であった。 考案したスクリーニング法は標準物質を必要としない簡便迅速な方法であり、法医鑑定および救急医療現場での中毒分析に非常に有用であると考える。
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Research Products
(2 results)