2008 Fiscal Year Annual Research Report
非水系酵素反応による構造性多糖分子の合成と糖鎖構造体材料の機能創出
Project/Area Number |
07J09034
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
江草 静香 Kyushu University, 大学院・農学研究院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 糖鎖合成 / 界面活性剤被覆酵素 / 非水系反応場 |
Research Abstract |
糖鎖はその構造多様性を情報記述子として活用することで、あらゆる生命活動に深く関与している。近年、糖鎖の工学的利用の試みが数多くなされているが、自身の複雑な構造のために合成は困難を極める。そこで、簡便かつ自由に糖鎖を合成可能な新規合成技術の構築が希求されている。本研究では、界面活性剤で機能保護した酵素を構造性糖鎖の良溶媒中で用いることで、100量体以上のセルロース合成に成功している。本年度はこの技術を応用し、非水系糖鎖合成機構の解明およびセルロース固体表面の機能糖修飾を試みた。まず、セルラーゼ粗酵素から触媒形態の違いにより4種を分離・精製した。精製酵素を用いて溶媒耐性試験・合成試験を行った。その結果、溶媒耐性はエンド型酵素の方が高く、また、合成試験ではエキソ型酵素ではオリゴ糖が得やすく、エンド型では長鎖分子が得やすいことが明らかとなった。また、材料設計への応用展開として、固体基材にろ紙、ドナーにラクトースを用いた一段階での固体表面非水系酵素触媒反応による糖鎖修飾を試みた。得られた材料を細胞培養試験に供したところ、良好な接着が観察され、セルロース固体表面への生理活性付与が示された。本研究では、安価な加水分解酵素を用い、未修飾の糖基質からワンステップでの糖鎖合成および修飾が可能であった。さらに、本手法は、基質・酵素・反応場の組み合わせを変えることで種々の糖鎖材料の創出に応用可能であることも示された。 研究成果は、論文発表(筆頭著者1報、共著者1報)および学会発表(国内3件、国際1件)をし、特にセルロース学会ではポスター賞を授与され、専門分野における高い評価を得ることができた。
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Research Products
(7 results)