2008 Fiscal Year Annual Research Report
ボードレールと「詩人の形象」の問題:19-20世紀における文学の社会的機能の研究
Project/Area Number |
07J09051
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伊藤 綾 The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | ボードレール / 歴史 / 詩人の形象 |
Research Abstract |
フランソワ・アルトーグの主著『「歴史」の体制現在主義と時間経験Regimes d'historicite. Presentisme et experiences du temps』の全訳および解説を藤原書店から刊行した。本書および同教授の仕事の理解を通して、「詩人の形象」という問題を19世紀の歴史主義とのコントラストのもとに明らかにすることができた。また、同年12月4日から13日まで、初邦訳の刊行に合わせて日仏会館の招聘により来日した著者の三都市(京都・東京・福岡)での五つの講演に関して、来日日程の立案・調整および同行者として報告書を発表した(月刊「機」2009年204号、藤原書店刊行)。また、東京大学総合文化研究科COEプログラムUTCPにおける研究会「イメージの作法」に定期的に参加し、11月21日のシンポジウム「イメージの作法-権力と表象」にて口頭発表「表象の危機としての群衆経験-ボードレール「現代生活の画家」をめぐって」を行い、それをもとに論文「表象の危機としての群衆経験-ボードレール「現代生活の画家」をめぐって」、「表象文化論研究8イメージの作法-権力と表象」(2009年3月、東京大学総合文化研究科超域文化科学専攻表象文化論コース発行、P.38-53)を発表した。なお、繰り越し分として、2009年5月フランスでの在外研究において、国立大学図書館にて19-20世紀におけるフランスおよびドイツ思想・文学に関する資料収集、社会科学高等研究院ゼミ訪問を行った。
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Research Products
(3 results)