2008 Fiscal Year Annual Research Report
分子設計と試験管内進化法の融合による機能性RNA創製と病害抵抗性植物育種への応用
Project/Area Number |
07J09056
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松本 順子 Kyoto University, 生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | アプタマー / 機能性RNA / 新規創製法 / 植物育種への応用 / 病害抵抗性 |
Research Abstract |
本研究では、「分子設計と試験管内進化法の融合による機能性RNA新規創製法」の一般化、およびその過程で得られたアプタマーの病害抵抗性植物育種への応用を目的とする。 既存の機能性RNA創製法である試験管内進化法は、非合理的であり、実用に足る成果を得られない場合も多い。ここに分子設計という合理的手法を取り入れることで、確実に機能性RNAを創製する。機能性RNAとして、「標的に結合する」という単純な機能によって、自由度の高い応用を可能とする機能性核酸=アプタマーをモデルとする。まず、天然の核酸結合タンパク質に対するアプタマーを創製し、さらに創製したアプタマーを新たな分野において応用する。 アプタマーを用いた遺伝子組み換え植物の例は存在しないが、有用な応用であると考えられる。そこで、モデルタンパク質として植物ウイルスの病原性因子を用いる。 当研究では植物ウイルスの病原性因子であるp19を大量に精製し、コンピュータモデリングによるp19アプタマーを分子設計、ランダム配列を有するRNA集団の大量調整、これらのRNA集団の試験管内進化法に成功した。 すなわち、「分子設計と試験管内進化法の融合による機能性RNA新規創製法」は成功したといえる。この後、同様の手法で機能性RNAを取得できれば、同法は一般法として確立する、その偉大な第一歩である。 また、p19アプタマーの生化学的な性質を解析し、p19アプタマーは生体内条件と同様の緩衝液中で結合能を有することが証明された。残念ながら、p19アプタマー遺伝子組み換え植物を作製、p19を有する植物ウイルスに対する病害抵抗性を確認するまでには至らなかったが、十分に応用可能なアプタマーを取得することが出来た。これは、機能性RNA創製の新たな応用の裾野を広げるという点で非常に重要な意義をもつ。
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Research Products
(2 results)