2007 Fiscal Year Annual Research Report
プレシナプスにおけるカルシウムチャネル複合体集積機構に関する分子生物学的研究
Project/Area Number |
07J09168
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
瓜生 幸嗣 Kyoto University, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | エキソサイトーシス / RIM / 電位依存性カルシウムチャネル / プレシナプス / 電気生理学 / Munc18 / アクティブゾーン / タンパク質複合体 |
Research Abstract |
RIMタンパク質は、エキソサイトーシスに関わることが広く知られたタンパク質群であり、RIMIからRIM4まで4種類のタンパク質からなる。 RIMタンパク質ファミリーに関する機能解析を行い、すべてのRIMタンパク質が電位依存性カルシウムチャネルと結合し、その機能を大きく変化させることを明らかにした。 また、組織局在を解析した結果、これまで、報告のあった神経系だけでなく、消化器官などでも発現を認め、RIMタンパク質は、エキソサイトーシスに関する広範な機能があることが示唆された。これらの知見から、それぞれのRIMタンパク質独自の機能を電位依存性カルシウムチャネルとの相互作用の観点から研究を進めている。現在、論文作成に向け準備を進めている。 同じく、プレシナプスでエキソサイトーシスに関するタンパク質であるMunc18に関しても解析をすすめ、電位依存性カルシウムチャネルに対するRIMIとは違った効果を発見した。今後はRIMの研究と結びつけ、プレシナプス電位依存性カルシウムチャネルの大きな複合体としての機能を明らかにする。 プレシナプスの電位依存性カルシウムチャネルの機能変化が、相互作用タンパク質とのダイナミックな相互作用変化によって起こっていることを示し、そのメカニズムの解明を行うことは神経科学の発展に大きく寄与すると考えられる。 また、エキソサイトーシスは、神経伝達物質放出、ホルモン放出等さまざまな生理現象に共通のメカニズムであり、分子機構の詳細な解明は、うつ病やアルツハイマー、ひいては糖尿病といった多くの疾患の原因解明、及び治療に大きく貢献することが期待される。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] RIM1 confers sustained activity and neurotransmitter vesicle anchoring to presynaptic Ca^<2+> channels2007
Author(s)
Shigeki Kiyonaka, Minoru Wakamori, Takafumi Miki, Yoshitsugu Uriu, Mio Nonaka, Haruhiko Bito, Aaron M. Beedle, Emiko Mori, Yuji Hara, Michel De Waard, Motoi Kanagawa, Makoto Itakura, Masami Takahashi, Kevin P. Campbell & Yasuo Mori
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Journal Title
Nature Neuroscience 10
Pages: 691-701
Peer Reviewed
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