2009 Fiscal Year Annual Research Report
プレシナプスにおけるカルシウムチャネル複合体集積機構に関する分子生物学的研究
Project/Area Number |
07J09168
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
瓜生 幸嗣 Kyoto University, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | エキソサイトーシス / RIM / 電位依存性カルシウムチャネル / プレシナプス / 電気生理 / Munc18 / アクティブゾーン / タンパク質複合体 |
Research Abstract |
私は、修士課程及び、博士課程一回生における研究で、RIM1タンパク質と電位依存性Ca2+チャネルの複合体が、プレシナプスにおける神経伝達物質の放出において、輸送段階と放出段階に重要な役割を持つことを証明した。さらに、博士課程二回生から三回生にかけての研究で、RIMファミリーに属するタンパク質(RIM2,RIM3,RIM4)が放出段階においては、RIM1と同様の効果を示す一方で、輸送段階においては、RIM1および2とRIM3およびRIM4の効果が全く逆であることを示した(論文リバイズ中)。 さらに、この研究を発展させ、他研究室との共同研究で、分泌系組織におけるRIM2の役割を解析した。RIM2欠損マウスから単離した分泌組織細胞は、脱分極刺激に対する細胞内Ca2+濃度上昇が有意に減弱することをCa^<2+>蛍光イメージングにより証明した。さらに、電気生理学実験においても、RIM2の欠損によって、チャネルの機能が減弱することを明らかにした。これらの実験を通して、Ca^<2+>チャネルの制御を通して、分泌機能に重要な役割を持つことを示した(論文リバイズ中)。 また、他研究室との共同研究で、網膜神経伝達に関してTRPM1チャネルが極めて重要な役割を持つことを示した。TRPM1チャネルは発見から10年にわたって、機能が未解明なチャネルであり、その電気生理学的特性も全く知られていなかった。TRPM1チャネルの機能を組み替え発現系で解析し、詳細な電気生理学的特性を明らかにするとともに、網膜双極細胞で、受容体応答に必須なチャネルであることを証明した。この成果は、Proceedings of the National Academy of Sciencesに報告した
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Research Products
(1 results)