2007 Fiscal Year Annual Research Report
光受容蛋白質の機能多様性とそれを生み出す分子特性の分子生理学的・生化学的解析
Project/Area Number |
07J09175
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
塚本 寿夫 Osaka City University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 光受容タンパク質 / ロドプシン / Gタンパク質 / 構造変化 / 蛍光 |
Research Abstract |
視覚など、動物における多くの光受容において、ロドプシンおよびその類似タンパク質(以後ロドプシン類と呼ぶ)が、光受容の「入口」を担っている。多くのロドプシン類は、発色団レチナールの11シス型から全トランス型に光異性化することに伴い、細胞内のGタンパク質を活性化することで、光シグナルを伝達する。ところが申請者は、ペロプシンというロドプシン類は、試験管内ではレチナールの全トランス型から11シス型への光異性化に伴いGタンパク質を活性化できることを見いだした。このことは、ペロプシンが、「普通の」ロドプシン類とは正反対の異性化反応によって、光シグナル伝達を担うことを示唆していた。 今年度は、ペロプシンが光シグナル伝達を担うメカニズムを解明するために、光受容に伴いペロプシンに起こる構造変化を分光学的に解析することを試みた。まず、構造変化を解析するために充分なペロプシン試料を得るための、大量発現・精製系を確立した。その結果、ロドプシン類のなかで最も大量に試料調製できるウシロドプシンの半分程度の収量を得ることができた。また、ペロプシンにおける構造変化の比較対象となる、「普通の」ロドプシン類の構造変化を解析することにも成功した。具体的には、2種類の「普通の」ロドプシン類(ウシロドプシン、パラピノプシン)の特定のアミノ酸残基を蛍光標識し、その蛍光特性の解析から、両ロドプシン類において、5番目、6番目の膜貫通ヘリックスの相対的な配置が、光受容に伴い変化することを見出した。
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