2009 Fiscal Year Annual Research Report
自己組織化光捕集アンテナシステムを利用した高感度分子認識センサーの開発
Project/Area Number |
07J09190
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
西藪 隆平 Tokyo Metropolitan University, 都市環境科学研究科, 助教
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Keywords | 光捕集アンテナ / ナノ粒子 / ヌクレオチド / 希土類金属イオン / 自己組織化 / 自己集合 / 中空粒子 / フェニルリン酸 |
Research Abstract |
本研究課題「自己組織化光捕集アンテナシステムを利用した高感度分子認識センサーの開発」の遂行過程において、これまでにヌクレオチドと希土類金属イオンが自己組織化によって光捕集アンテナ機能を有するナノ構造体を形成し、さらにその形成過程において蛍光色素や金ナノ粒子、酵素など種々の機能性物質がナノ粒子内部に内包されることを見出している。本年度は、より単純な構造を有する有機配位子を用いて希土類金属イオンとの自己集合に基づく構造体の形成およびその構造体への機能性物質の取り込み挙動に関する実験を遂行した。具体的には、有機配位子としてフェニルリン酸ニナトリウムを用いた。希土類金属イオンとフェニルリン酸ニナトリウムの水溶液を室温でかき混ぜながら混合すると、直径約400nmの球状粒子が得られ、紫外光(254nm)照射下ではテルビウム由来の明るい緑色発光を示した。この結果から希土類金属イオンはヌクレオチドのみならず他の有機配位子との組み合わせにおいても自発的に球状粒子を形成することが示された。さらに興味深いことに、今回得られた球状粒子は水中において時間の経過とともにその形態が中空粒子へと変化するといった極めて興味深い現象を見出した。また、この中空粒子の形成過程においても、蛍光色素や金ナノ粒子、緑色蛍光タンパク質といった物質が取り込まれることを明らかにした。本結果は、ヌクレオチドだけではなく他の有機配位子を用いることでも希土類イオンとの自己組織化によって光捕集アンテナ機能を有するナノ構造体を構築できることを示しており、当該研究課題「自己組織化光捕集アンテナシステムを利用した高感度分子認識センサーの開発」の実現において重要な指針を与えるものである。
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Research Products
(11 results)