2007 Fiscal Year Annual Research Report
微小な液体を用いたマイクロプラズマの生成とプラズマ化学への応用
Project/Area Number |
07J09239
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
白井 直機 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | マイクロプラズマ / 液体電極 / 大気圧グロー放電 / コロナ放電 / テイラーコーン / 微細ガス流 |
Research Abstract |
微小な液体を用いて大気圧下で新たなマイクロプラズマを生成する手法を考案して生成した。大気圧下で液体を利用してマイクロプラズマの手法は多岐にわたるが、本年度は液体を電極としてグロー放電、コロナ放電を生成し、その基礎特性を調べた。 液体として電解質溶液を用いて、マイクロギャップ間で放電を生成した際には、その不安定さが問題であったが、電極間に微細なヘリウムガスを導入して放電を形成したことによりこれまででは不可能であった低電流領域でも安定に大気圧グロー放電を形成することに成功した。放電の特性は液体の表面状態によって変化し、放電電流が低いときには電極間の気体が主成分となる放電を形成するが、電流が高く液体陰極の表面温度が上昇したときには、液体の成分が放電部に現れてくることを明らかにした。液体陰極の導入により放電部の温度の低下が予想されたが、実際には放電部の成分の変化により温度は上昇する傾向が見られた。微小サイズの液体は静電界による力でテイラーコーンと呼ばれる円錐形状を形成するが、その特性を利用してコーンの先端にコロナ放電を形成できることも示した。コロナ放電は、負コロナのときのみ安定に生成され、その特性は液体の導電率が高く、表面張力が低いときほど安定に生成できる。また、PVAのような粘性の高い液体を用いるとコロナ放電はコーンの先端よりも高い位置に局所的に生成されることを見出した。今年度は、基礎特性の検討が中心となったため、次年度は、収集したデータをもとに応用への展開を計り、積極的に研究発表を行う予定である。
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