2008 Fiscal Year Annual Research Report
コンドロイチン硫酸に含まれる高硫酸化ドメイン構造の生物学的機能
Project/Area Number |
07J09258
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
新美 しおり Aichi University of Education, 教育学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | コンドロイチン硫酸 / 硫酸転移酵素 / 遺伝子ノックアウト |
Research Abstract |
本研究では、CSの高硫酸化構造の合成に関与するN-アセチルガラクトサミン4-硫酸6-0-硫酸転移酵素(GalNAc4S-6ST)の遺伝子ノックアウト(KO)マウスを用いて、高硫酸化CSの機能を個体レベルで解析すること、またin vitro合成した高硫酸化オリゴ糖を用いてCSに存在する高硫酸化非還元末端構造の機能を解析しているが、今年度は、主にKOマウスの解析を中心に研究を行った。 1.BALB/c系統7週齢のマウスを用いて、各組織におけるCS分析をポスト蛍光法で行った結果、すべての組織においてCS-E構造が消失していることを確認した。 2.骨髄由来肥満細胞(BMMC)におけるCS-Eの機能解析において、KOマウスのBMMCでは、CS-E合成活性の欠失、BMMCに含まれるCSのE構造の消失を確認した。また、GalNAc4S-6ST遺伝子発現も完全に消失していた。 BMMC特異的プロテアーゼ活性を調べた結果、トリプターゼ活性が野生型(WT)に比べKOマウスのBMMCでは低下しているが、トリプターゼ(mMCP-6,mMCP-7)遺伝子の発現は変化しないことを明らかにした。 タンパク質発現では、mMCP-6のタンパク量がKOではWTに比べ減少していた。BMMCの形態として、KOのBMMCでは細胞内顆粒の空胞化した細胞がWTに比べ多いことを確認した。 3.mMCP-6遺伝子KOマウスで観察された、エンドトキシンによる好中球遊出の減少を、GalNAc4S-6ST遺伝子KOマウスでも調べた。その結果、エンドトキシン(LPS)による好中球の遊出が、KOマウスでは減少している傾向がみられた。
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Research Products
(2 results)