2009 Fiscal Year Annual Research Report
コンドロイチン硫酸に含まれる高硫酸化ドメイン構造の生物学的機能
Project/Area Number |
07J09258
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
新美 しおり Aichi University of Education, 教育学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | コンドロイチン硫酸 / 硫酸転移酵素 / 遺伝子ノックアウト / 肥満細胞 |
Research Abstract |
コンドロイチン硫酸(CS)に含まれるGalNAc(4,6-bisSO_4)構造は、多彩な生理学的機能をもつことが示唆されている。この構造は、N-アセチルガラクトサミン4-硫酸6-O硫酸転移酵素(GalNAc4S-6ST)により合成される。本研究では、高硫酸化CSの機能を解明することを目的に研究を進めてきた。今年度は、主に個体レベルでの解析を中心に研究を行った。 1.GalNAc4S-6ST遺伝子ノックアウト(KO)マウスの解析 (1)GalNAc4S-6ST遺伝子KOマウスは、正常に生まれ、繁殖可能であったが、KO同士の交配の場合に生まれる仔の数が、Hetero同士の交配の場合より少ない傾向がみられ、生殖での機能が示唆された。 (2)GalNAc4S-6ST KOマウスでは、CS-Eだけでなく肝臓や脾臓に多いDS-E(デルマタン硫酸骨格でGalNAc(4,6-SO_4)をもつ糖鎖)も消失することから、GalNAc4S-6STがCSとDSの両方のGalNAc(4,6-bisSO_4)構造の合成に関与していることがわかった。 (3)GalNAc4S-6ST KOマウスの骨髄細胞から誘導される骨髄由来肥満細胞(BMMC)、結合組織型肥満細胞(CTMC)、粘膜型肥満細胞(MMC)の解析を行い、CS-Eがトリプシン様プロテアーゼのBMMC内保持に機能していること、BMMCからCTMC,MMCへの分化にはCS-Eは必要とされないことを示した。 2.GalNAc4S-6STの選択的阻害剤の開発※有機合成専門の研究者との共同研究。 様々な疎水性アグリコンをもつβ-D-GalNAc(4SO_4)を合成し、GalNAc4S-6ST活性への阻害効果について調べ、3-estradiol-β-D-GalNAc(4SO4)が強い阻害活性をもち、細胞レベルでの阻害効果ももつことを示した。
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Research Products
(2 results)