2008 Fiscal Year Annual Research Report
カイコにおけるジーンターゲティングの分子機構とその効率向上
Project/Area Number |
07J09260
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
光延 仁志 Kyushu University, 大学院・農学研究院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | HP1 / クロマチン制御 / 転写抑制効果 |
Research Abstract |
前年度のカイコにおいてクロマチン制御機構が他生物と異なる可能性が示唆されたため,本年度はHP1に着目しながら,カイコにおけるクロマチン制御機構についてより詳細に解析を試みた. 前年度構築した転写抑制効果測定系において各HP1のdsRNAを利用し,ノックダウン(KD)した場合における転写抑制効果を検証した.HP1α,HP1βは単独でも抑制効果かおることが示唆された.またGAL4DBD-Su(var)3-9発現区においては,抑制効果の解除がみられた.このことは免疫沈降法の結果と併せてSu(var)3-9はHP1αと協調して働いているがHP1βとは協調していないことを示唆している.興味深いことにHP1αKD時とは異なりHP1βKD時のGAL4DBD-HP1β発現区において,転写の抑制が維持され続けていた.HP1βがHP1αに比べ抑制効果が強くみられることから,KDし発現量が減少しても,残存している少量のHP1βで転写抑制が可能であり,このことはHP1αよりもHP1βの方が高い転写抑制能を有する可能性を示唆している.HP1のアイソフォームの違いによる転写抑制の差異についての報告は他の生物においても未報告であり,来年度からの研究でクロマチン制御機構に対する新たな知見が得られる可能性が考えられる. またジーンターゲティングの効率向上因子をスクリーニングするために,改良したスクリーニングベクターに適した形状を有するcDNAライブラリーを作製している.
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Research Products
(2 results)