2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J09301
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
姜 舜徹 Kyoto University, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ポルフィリン / ナノ微粒子 / 電子移動 / エネルギー移動 / 色素増感太陽電池 / 人工光合成 / 過渡吸収スペクトル / 量子ドット |
Research Abstract |
平成19年度研究成果の概要を以下に記載する。 1.ヘキサデシルアミン(HDA)で保護されたCdSeナノ微粒子(CdSe/HDA)に対して、チオール基をもったポルフィリンとの配位子交換反応により、ポルフィリン修飾CdSeナノ微粒子を合成し、その構造および光物性について明らかにした。特に、CdSe励起状態からポルフィリンへの高効率エネルギー移動、およびポルフィリン励起1重項状態の失活の抑制に成功した。この特性は、これまでのポルフィリン修飾金属ナノ微粒子では、得られなかった新しい光物性であり、今後ポルフィリン修飾ナノ微粒子を人工光合成型光電変換デバイスに応用していく上での重要な知見である。 2.色素増感太陽電池において、色素と半導体電極間の電子移動過程を正確に理解することは、セル性能を向上させるために重要である。そこで本研究では、分子設計が容易であるポルフィリンに様々な置換基を導入することで、置換基が電子移動過程に及ぼす効果を過渡吸収分光法により検討し、光電変換特性と、光ダイナミクスについての相関を調べた。具体的には、様々な条件下において作製したポルフィリン修飾酸化チタン電極の過渡吸収スペクトルを測定し、ポルフィリンの励起1重項状態から酸化チタン電極の伝導帯への電子注入過程の差異がセル性能に及ぼす効果について考察した。その結果、光電変換特性は、酸化チタン表面上でのポルフィリン色素の配列に大きく依存することが分かり、その配列は、ポルフィリンのメソフェニル基上の置換基、色素の浸漬時間、および浸漬溶媒などで制御可能であることが示された。
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Research Products
(6 results)