2007 Fiscal Year Annual Research Report
細胞質ダイニンが微小管上を「小股歩き」をする機構の解明
Project/Area Number |
07J09333
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
島 知弘 The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 細胞質ダイニン / ヘテロ二量体 / 組換えタンパク質 / モータータンパク質 |
Research Abstract |
細胞質ダイニンのモーター活性を担う重鎖は、細胞内ではホモ二量体を形成して働いている。また単量体の組換えダイニンは微小管の上を連続的(プロセッシブ)に進むことができない。そのため細胞質ダイニンの歩行機構の研究には、組換えダイニン重鎖を二量体化する技術が必要となる。なかでもヘテロ二量体を作ることが非常に重要で、これが実現すれば分子内の二つの重鎖のそれぞれを識別することができ、 (1)蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)を用いた、歩行時における二つの重鎖の配置の決定 (2)FIONA(Fluorescence imaging with one nanometer accuracy)を用いた、細胞質ダイニンの歩行様式の決定といった研究を進めることが可能となる。 といった研究を進めることが可能となる。 そこで私は、まず安定な組換えダイニン・ヘテロニ量体の作成に取り組んだ。手法としては、互いに特異的かつ強く結合するタンパク質のペア(ヘテロダイマライザー)の一方ずつを単量体組換えダイニンのN末端に融合させた。この組換えダイニンを細胞性粘菌で発現させ精製した後に、もう一方のヘテロダイマライザーと融合させた組換えダイニンと混合することで、ヘテロダイマライザー同士が結合し、組換えダイニン・ヘテロ二量体が形成される。当初、1種類のヘテロダイマライザーと融合させただけでは、ヘテロ二量体が形成されるものの、不安定な二量体であった。しかし2種類のヘテロダイマライザーを、リンカー配列を挟んで直列に組換えダイニンと融合させることによって、安定なヘテロ二量体の作成に成功した。この二量体の解離速度は非常に遅いため、長時間の一分子計測も十分に可能である。実際にこのダイニンニ匿体を蛍光標識し、全反射蛍光顕微鏡で観察したところ、ガラス上に固定した軸糸の上をプロセッシブに運動していく様子が確認できた。 今後はこの組換えダイニン・ヘテロ二量体を用いて、上記の研究を進めていく予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Presentation] 細胞質ダイニンの動作機構2007
Author(s)
最上 聡文, 島 知弘, 昆 隆英, 大倉 玲子, 須藤 和夫
Organizer
東京大学生命科学研究ネットワークシkポジウム
Place of Presentation
東京大学安田講堂(東京都)
Year and Date
2007-09-15
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