2008 Fiscal Year Annual Research Report
オートファジー関与プロテアーゼのX線結晶構造解析による新規修飾システムの研究
Project/Area Number |
07J09335
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
熊埜御堂 太一 Nagoya University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | オートファジー / Atg4b / p62 / システインプロテアーゼ / LC3 / Keap1 |
Research Abstract |
オートファジーに関与するプロテアーゼAtg4bの基質でありオートファジーに必須なタンパク質LC3と、LC3及びユビキチン鎖と結合しオートファジーにより選択的に分解されるタンパク質p62のLC3認識配列(LRS:Ser334-Ser344)との複合体構造をX線結晶構造解析により決定した。複合体構造の決定によりLC3によるp62の認識メカニズムが明らかとなり、p62のTrp340・Leu343とLC3との間の疎水性相互作用、p62のN末端側に位置する酸性クラスターとLC3の間の静電相互作用が認識に重要であることが示され、オートファジーを介したp62の選択的なターンオーバーが封入体形成を制御していることが明らかとなった。 最近の研究で、p62は酸化ストレスセンサーとして働くユビキチンリガーゼE3のアダプタータンパク質Keap1にも結合し、酸化ストレス応答系酵素群の遺伝子発現を活性化する転写因子Nrf2の発現を調節していることが示された。そこで、Keap1によるp62認識メカニズムの解明のために、Keap1とKeap1結合領域に対応するp62ペプチド(Ser345のG1n359)の複合体のX線結晶構造解析を目指した。Keap1はGST融合タンパク質として発現させ、アフィニティークロマトグラフィーでKeap1-GSTを精製後、プロテアーゼでGSTタグを切断し、更に陰イオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィーで精製を行い、高純度のサンプルが得られた。その後濃縮を行い、Keap1とp62ペプチドを1:10もしくは1:1のモル比で混合し、4℃で3時間インキュベートし複合体を形成させた。現在は、上記2種類のモル比で混合したサンプルを用い結晶化条件の検討を行っている。
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Research Products
(2 results)