2007 Fiscal Year Annual Research Report
新しい精密設計触媒の開発およびその活用による高機能性高分子の創製
Project/Area Number |
07J09364
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
勝又 徹 Kyoto University, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 置換ポリアセチレン / ポリノルボルネン誘導体 / 遷移金属触媒重合 / 気体透過性 / 有機ラジカル電池 / TEMPO / シロキサン結合 |
Research Abstract |
有機ラジカル電池特性や高い気体透過性を示す様々な機能性高分子の合成を目的とし、置換ポリアセチレンおよびポリノルボルネン誘導体の合成および生成ポリマーの特性について検討した。 安定フリーラジカルを有するポリマーは、その電気的酸化還元反応を用いた有機ラジカル電池への応用が期待される機能性高分子である。フリーラジカルとしてTEMPOまたはPROXY部位を導入した置換ポリアセチレンおよびポリノルボルネン誘導体をRuまたはRh触媒を用いて合成した。得られたポリマーを正極の活物質として用いた有機ラジカル電池特性の評価を行うと、全てのポリマーが二次電池としての特性を示すことがわかった。特に、ノルボルネンジカルボン酸のendo,exo体をTEMPOエステル化したポリマーが理論値と同じ約110Ah/kgの充電容量を有していることを明らかにした。電流密度を上昇させても効率よく充電することが可能であり、充電が1分以内に完了する高電流密度で充電しても90Ah/kgという高い充電容量を有していることを見出した。 シロキサン結合は非常に柔軟な結合であり、シロキサン結合を有するポリマーはその高い運動性により高い気体透過性を示すことが期待される。分岐型または直鎖型のシロキサン結合を有する様々なノルボルネン誘導体をRu触媒を用いて重合した。重合条件によらず非常に高い収率でポリマーを生成した。生成ポリマーの気体透過性はこれまでに報告されているポリノルボルネン誘導体の中で最も高い値を示すことを見出した。また、高い運動性を有するシロキサン結合が高分子膜中の気体の拡散性を上昇させ、それにより気体の透過性が向上したことを明らかにした。
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Research Products
(11 results)
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[Journal Article] Synthesis,Characterization,and Charge/Discharge Properties of Polynorhornenes Carrying 2,2,6,6-Tetramethylpiperidine-1-oxy Radicals at High Density2008
Author(s)
Toru Katsumata, Jinqing Qu, Masashi Shiotsuki, Masaharu Satoh, Jun Wada, Jun Igarashi, Kenji Mizoguchi, Toshio Masuda
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Journal Title
Macromolecules 41
Pages: 1175-1183
Peer Reviewed
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[Journal Article] Helical Polyacetylenes Carrying 2,2,6,6-Tetramethyl-1-piperidinyloxy and 2,2,5,5-Tetramethyl-1-pyrrolidinyloxy Moieties: Their Synthesis,Properties,and Function2007
Author(s)
Jinging Qu, Toru Fujii, Toru Aatsumata, Yuji Suzuki, Masashi Shiotsuki, Fumio Sanda, Masaharu Satoh, Jun Wada, Toshio Masuda
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Journal Title
Journal of Polymer Science Part A: Polymer Chemistry 45
Pages: 5431-5445
Peer Reviewed
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