2008 Fiscal Year Annual Research Report
新しい精密の段計触媒の開発およびその活性による高機能性高分子の創製
Project/Area Number |
07J09364
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
勝又 徹 Kyoto University, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | Ruカルベン / 置換ポリアセチレン / ポリノルボルネン / メタセシス重合 |
Research Abstract |
Ruカルベン錯体は優れた官能基耐性を有することから、アセチレン化合物の重合において有用な遷移金属触媒となることが期待される。これまでに、ジフェニルアセチレン誘導体やプロピオール酸ヘキシルの重合にRuカルベン触媒が有効であることを明らかにしているが、フェニルアセチレン類の重合に対する活性については明らかになっていない。 種々の置換基を有するフェニルアセチレンの重合を検討したところ、オルト位にイソプロポキシ基を有するフェニルアセチレンの重合が効率よく進行することがわかつた。これに対し、メタおよびパラ位にイソプロポキシ基を導入したフェニルアセチレンはポリマーを生成しなかった。このことから、Ruカルベン錯体を用いたフェニルアセチレンの重合では、オルト位に置換基を導入することが重要であることがわかった。得られたポリマーはW触媒を用いた時と同様に高いトランス含率を有するポリマーが得られた。 Ruカルベン触媒を用いて種々のシロキサン結合を有するノルボルネンの開環メタセシス重合を行った。分岐状、直鎖状に関わらず、シロキサン結合を有するノルボルネンモノマーの重合により高い収率でポリマーが得られた。分岐状のシロキサン基を有するポリマーは直鎖状のポリマーに比べ高いガラス転移温度を示した。また、直鎖状のシロキサン結合の数が増大するにつれて、ガラス転移温度が低下することを見出した。分岐状のシロキサン基を有するポリマーは、これまでに報告されている開環型ポリノルボルネンの中で最も高い気体透過性を示すことがわかった。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Synthesis, Characterization, and Charge/Discharge Properties of Polynor-bornenes Carrying 2, 2, 6, 6-Tetramethylpiperidine-1-oxy Radicals at High Density2008
Author(s)
Toru Katsumata, Jinqing Qu, Masashi Shiotsuki, Masaharu Satoh, Jun Wada, Jun Igarashi, Kenji Mizoguchi, Toshio Masuda
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Journal Title
Macromolecules 41
Pages: 1175-1183
Peer Reviewed
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