2009 Fiscal Year Annual Research Report
胸腺細胞の分化過程におけるクローディン4の発現制御と機能に関する研究
Project/Area Number |
07J09376
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤田 春美 Kyoto University, 生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 免疫 / 細胞接着 / 胸腺 / T細胞分化 |
Research Abstract |
昨年度、胸腺細胞特異的にCld4の発現を消失させるためCld4 floxマウスを作出したが、ES細胞をスクリーニングする際に用いたNeo floxカセットがCld4のプロモーター領域に挿入されており、Cld4の発現に干渉していることが問題となっていた。そこでgermilineでCreを弱く発現するEIIA-Creマウスと交配しNeo floxカセットのみの除去を試みた。その結果、Neo floxのみが抜けた個体が複数得られ、現在このマウスをLck-creマウスと交配することにより、Cld4の胸腺細胞特異的ノックアウトを試みている。 一方、Cld4 floxマウスをgermileでCreを強発現するCAG-Creと交配することにより、Cld4の発現が全身で消失されたCld4 Nul1マウスが作出された。現在まだB6系統への戻し交配中であるためpreliminaryなデータではあるが、現在のところ、胸腺T細胞分化の異常は認められていない。また、Cld4を発現しているDP胸腺細胞における抗原反応性の低下といった表現型も認められていない。 しかしながら、末梢リンパ組織・末梢血中におけるT細胞について解析を行ったところ、全白血球中のCD4/CD8T細胞の割合が減少することが確認された。また、CD4 T細胞を固層化抗CD3抗体とともにin vitroで培養したところ、野生型CD4 T細胞と比べて増殖反応・サイトカイン産生など刺激反応性の低下が認められた。現時点ではこれが胸腺T細胞におけるCld4の消失によるものか、あるいは全身的にCld4を消失させたことによる副次的効果であるかは確認されていないが、現在作成中のCld4 flox・Lck-creマウスを解析することにより明らかになると期待している。この表現型が胸腺T細胞におけるCld4の消失によるものであれば、胸腺におけるイベントがどのように末梢T細胞に影響を及ぼしているのかが論点となる。末梢T細胞の恒常性維持・T細胞レパトア形成などにフォーカスして解析を行う予定である。
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Research Products
(2 results)