2007 Fiscal Year Annual Research Report
光反応性刺激応答性高分子によるナノマテリアル創製とバイオエンジニアリングへの展開
Project/Area Number |
07J09379
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
松隈 大輔 Kagoshima University, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 刺激応答性 / ハイドロゲル / 金属ナノ粒子 |
Research Abstract |
本研究では光架橋反応による刺激応答性ハイドロゲル薄膜の調製を目的とし、刺激応答性を示すpoly (N-isopropylaclylamide-co-2-carboxyisopropylaclylamide) [poly (NIPAAm-co-CIPAAm)]に光反応性部位としてbenzophenone(BP)を導入した。これらの高分子を用いたハイドロゲル薄膜の内部への金属ナノ粒子の担持と、その外部環境依存的な吸収スペクトルの変化について検討した。これまでに、これらの高分子を用いた光架橋反応による刺激応答性ハイドロゲル薄膜の調製について明らかとしている。その膜厚は溶液濃度によって容易に制御可能であり、イオン透過性は外部環境(pH,温度)に依存して鋭敏に変化することを確認している。 これらのハイドロゲル薄膜を調製した後、銀イオンの吸着・還元反応を施すことによって薄膜内部に銀ナノ粒子を担持させた。銀ナノ粒子の粒径はナノサイズで小さく、サイズ分布も狭かったことから、金属イオンの吸着およびin situでの還元反応を逐次的に繰り返すことで、ハイドロゲル薄膜内部に担持される金属ナノ粒子の粒径がナノメートルオーダーで制御可能であることが示唆された。さらに、銀ナノ粒子を担持したハイドロゲル薄膜の刺激応答性について評価した。刺激応答性は外部のpHおよび温度を変化させた際のスペクトル変化によって評価した。その結果、外部刺激に対する応答性はハイドロゲル薄膜と同様の挙動であることが明らかとなり、銀ナノ粒子のスペクトル変化が膜の構造転移にシンクロして引き起こされることが分かった。金属ナノ粒子を担持した刺激応答性ハイドロゲル薄膜は、わずかな環境変化にシンクロした薄膜材料として非常に興味深い材料であることから、触媒活性の制御やバイオセンシングの基盤材料としての応用が期待される。
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Research Products
(2 results)