2008 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ構造を有する光電変換デバイスの構築に関する研究
Project/Area Number |
07J09402
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉良 愛子 Kyoto University, 物質-細胞統合システム拠点, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ポルフィリン / フラーレン / 配位結合 / バイコンティニュアス配列 / 膜構造 / 光電変換特性 / 複合ナノロッド / ドナー・アクセプター |
Research Abstract |
1.配位結合を利用したポルフィリン・フラーレン配列修飾電極 配位結合を利用してポルフィリン・フラーレン配列を電極上で構築した。まず、膜構造を各種顕微鏡で調べたところ、ポルフィリン鎖は酸化スズに対して約30度傾いて成長していることがわった。また、2層目から5層目においてのみ、フラーレンがポルフィリンとの配位結合およびフラーレン間のπ-π相互作用を形成することで、バイコンティニアスなポルフィリン・フラーレン配列が電極上で垂直方向に構築されていることが確認できた。次に、光電変換効率を評価した結果、ポルフィリン・フラーレン配列系では参照系と比較してIPCE値が大きく向上した。以上の結果より、電極に垂直な方向にポルフィリン・フラーレン配列が形成されたことにより、電子と正孔が各電極に向かって方向性をもって移動し、光電変換特性が向上したと考えられる。本研究では、電極の垂直方向にドナー・アクセプター配列を形成させた系で最も高いIPCE値を達成しただけでなく、ポルフィリン層数に対する膜構造と光電気化学特性との相関を初めて詳細に明らかにすることに成功した。 2.ナノロッド型光電変換デバイス 金-ポリマーからなる複合ナノロッドを作製した。ポリマーのモノマーには3,4-ethylenedioxythiophene(EDOT)を使用し、金属部位と有機物部位の接合を検討した。まず、市販の陽極酸化アルミニウムテンプレート(細孔径約300nm)内で第一層としてAuを電析した後、第二層にEDOTを電解重合させ、複合ナノロッドを合成した。得られた複合ナノロッドを各種顕微鏡、エネルギー分散形分光法を用いて構造評価した結果、ポリEDOT部位は電解重合の際の条件によりロッド構造とチコーブ構造に制御できることが示唆された。今後、第三層としてアクセプター分子の層を形成させ、光電変換特性を調べる予定である。
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