2008 Fiscal Year Annual Research Report
新規樹木状多分岐ポリマーの精密合成とナノ機能物質への応用
Project/Area Number |
07J09450
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
渡部 拓海 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | リビングアニオン重合 / 樹木状多分岐ポリマー / 精密合成 / 繰り返し法 / ナノ機能物質 / 環境応答性 / 結晶性 / 原子間力顕微鏡 |
Research Abstract |
本年度は先ず、リビングアニオン重合を基として、新規に開発した繰り返し反応と特別に設計した化合物、さらに様々な官能基を有するモノマーを用いることで、樹木状多分岐ポリマーに機能性セグメントの導入を行った。機能性としては親水性、温度応答性、pH応答性、イオン性、撥水撥油性、液晶性、反応性などを導入しか。いずれも導入に成功し、さらに導入位置や導入するセグメントの本数の精密な制御にも成功した。特に親水性、温度応答性、pH応答性、イオン性、撥水撥油性に関しては、これらのセグメントの導入位置や導入本数の制御によって、発現する機能性を広い範囲で制御できることを見出し、樹木状多分岐ポリマーの持つ将来的な可能性を大きく広げた。 また、仏国ボルドー大学のDeffieux教授との共同研究のため10月から3月まで仏国にて研究を行った。そこでは樹木状多分岐ポリマーの構造を視覚的に明らかにするため、原子間力顕微鏡を用いた観察を行った。その結果、樹木状多分岐ポリマーの単分子の鮮明な画像が得られ、樹木状多分岐ポリマーが設計通りの構造を有していることが視覚的に初めて明らかとなった。また、ポリマーの構造を変化させることによって得られる画像がそれに対応して変化したことから、我々の開発した方法が樹木状多分岐ポリマーの構造制御において非常に有力であることが示された。また、仏国では新たに結晶性のポリマーを分岐ポリマーへ導入することにも成功し、さらに原子間力顕微鏡により、単分子中で結晶性のセグメントを導入した位置だけが期待通りに結晶化している様子を観察することができた。
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Research Products
(7 results)