2007 Fiscal Year Annual Research Report
重金属輸送性P型ATPアーゼにおける基質選択性およびその反応サイクルの構造的基盤
Project/Area Number |
07J09490
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
服部 素之 Tokyo Institute of Technology, 大学院・生命理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 構造生物学 / 結晶構造解析 |
Research Abstract |
生体内の銅ホメオスタシスを担う銅輸送性P型ATPアーゼの反応サイクルの構造的基盤を明らかにすべく、高度好熱菌T.thermophilus HB27由来銅輸送性P型ATPアーゼCopB(TtCopB)のX線結晶構造解析を試みている。まず、大腸菌にTtCopBを大量発現させ、その菌体から膜画分を調製し、界面活性剤ドデシルマルトシドを用いて、687残基から成る目的タンパク質の可溶化を行った。その後、ニッケルカラムによるアフィニティー精製およびゲルろ過クロマトグラフィーを行い、結晶化に適した単一ピークとして精製することができた。TtCopBの様々な反応中間体におけるX線結晶構造解析を行うべく、重金属イオンが結合したEl・Cu^+/Cu^<2+>/Ag^+、リン酸の転移直後のE1P・ADP、重金属イオン非存在下でリン酸が結合したE2P、重金属イオン非存在下でリン酸が解離した状態であるE2という4つの基本状態のうち前者3状態の結晶化を行った。しかしながら、現在のところX線結晶構造解析に耐えうる結晶は得られていない。また、生体内の重金属ホメオスタシスに関連する重金属輸送体ZitBの細胞質ドメインの結晶構造解析に成功し、重金属ホメオスタシス機構の一旦を明らかにし、現在その成果について論文執筆中である。また、前年度の修士課程までに行った細胞内のマグネシウムホメオスタシスに関わるMg^<2+>輸送体MgtEのX線結晶構造解析の研究成果を論文にまとめ、英国科学誌「Nature」に発表した。
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Research Products
(9 results)