2009 Fiscal Year Annual Research Report
重金属輸送性P型ATPアーゼにおける基質選択性およびその反応サイクルの構造的基盤
Project/Area Number |
07J09490
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
服部 素之 The University of Tokyo, 医科学研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | 構造生物学 / 膜タンパク質 / マグネシウム / イオンチャネル |
Research Abstract |
生体内の銅ホメオスタシスを担う銅輸送性P型ATPアーゼの反応サイクルの構造的基盤を明らかにすべく、高度好熱菌T.thermophilus HB27由来銅輸送性P型ATPアーゼCopB(TtCopB)のX線結晶構造解析を試みた。しかしながら、現在のところX線結晶構造解析に耐えうる結晶は得られていない。そこで、米国オレゴン健康科学大学のEric Gouaux博士の研究室に渡航し、GFP-FSEC法による発現トライアル法を習得した。GFP-FSEC法は短期間かつ比較的低コストで結晶化に適した目的遺伝子の同定を可能とする手法である。また、前年度から引き続き、生体内のMg^<2+>ホメオスタシスに関わるMg^<2+>輸送体MgtEのの高分解構造およびそれに基づく機能解析を推進した。その結果、現在までに2.9Å分解能での構造決定に成功している。これにより、以前のMg^<2+>結合部位に加えて、新たなMg^<2+>結合部位の存在が明らかとなった。これらMg^<2+>結合部位変異体に対する電気生理学的解析および限定分解実験による生化学的解析から、MgtEが細胞質中のMg^<2+>濃度依存的にその輸送が制御されるMg^<2+>チャネルであり、細胞質ドメインへの協調的なMg^<2+>結合によって輸送体の閉状態が安定化されることが明らかとなった。これは、2007年に本特別研究員が発表した結晶構造から示唆されたMgtE細胞質ドメインによるMg^<2+>輸送制御機構を支持するものである。以上の結果について、誌EMBO Journalに発表した。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Mg(2+)-dependent gating of bacterial MgtE channel underlies Mg(2+)homeostasis2009
Author(s)
Hattori M, Iwase N, Furuya N, Tanaka Y, Tsukazaki T, Ishitani R, Maguire ME, Ito K, Maturana, A, Nureki O.
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Journal Title
EMBO Journal 28
Pages: 3602-3612
Peer Reviewed
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