2007 Fiscal Year Annual Research Report
脂肪組織の生理的意義の疫学的解明と実践可能な肥満予防対策の立案
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07J09521
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Research Institution | National Institute for Longevity Sciences,NCGG |
Principal Investigator |
伊藤 礼 (大塚 礼) National Institute for Longevity Sciences,NCGG, 渡学研究部, 特別研究員PD
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Keywords | 肥満 / 脂肪組織 / 疫学 / 食べる速さ / アディポサイトカイン |
Research Abstract |
本年度は脂肪組織由来のアディポネクチン、レプチン等のアディポサイトカインの値と、メタボリックシンドロームおよび心血管疾患のリスク要因(高CRP値やインスリン抵抗性)との関連性を統計学的手法により検討し、脂肪組織の生理的意義の解明に迫ることを第一の目的とした。研究対象は愛知職域コホート(名古屋大学公衆衛生学)とし、アディポネクチンが新たなメタボリックシンドロームの有用な一指標となりうること、閉経後は閉経前に比しアディポネクチン濃度とインスリン抵抗性(HOMA-IR)の負の関連性がより強いこと、高血圧の有無にかかわらずアディポネクチン濃度は左室心肥大と有意な負の関連を示すこと等を報告しだ。また、日本人においては低炎症状態(低CRP値)であっても心血管疾患のリスクが高い可能性について報告した。ついで、肥満予防に有用と考えられる行動変容可能な食習慣を明らかにする目的で、「食べる速さ」が速い者ほどインスリン抵抗性のリスクが上昇する可能性を報告した。その他、喫煙本数、ならびに禁煙年数が量反応的にアディポネクチン濃度と関連することや、ストレスやいきがい・はりなどの心理的要因が、不眠症と強い関連を示していること、を報告した。 一方、地域在住中高年者を対象とした長期縦断疫学研究(研究代表:長寿医療センター研究所・疫学研究部)においては、主に栄養調査結果から、果物摂取量と耐糖能異常が負の関連を示すこと、食事バランスガイドにもとづく料理データベースの作成、栄養疫学調査における写真撮影(カメラでの食事撮影)の有用性の他、今後高齢者の単独世帯が増えることを踏まえ、独居高齢者世帯における栄養摂取状況の把握を行った。
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Research Products
(13 results)