2007 Fiscal Year Annual Research Report
明治維新と地域社会-19世紀後半における官と民との相克-
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07J09563
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
今村 直樹 Nagoya University, 文学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 地域資本 / 熊本藩領 / 地域資本 / 地方役人 / 在御家人 |
Research Abstract |
研究実施計画のとおり、平成19年度は地域経済論に基づく明治維新期の地域社会研究を行った。その具体的な内容は、近世熊本藩の中間支配機構(手永)が所有していた地域資本(民政基金・備荒貯蓄)の研究である。明治維新後、かつて手永が所有していた約45万円もの地域資本は大蔵省へと接収されるが、その巨額資本の返還を求めて、旧熊本藩領域の市町村自治体が明治20年代に下戻請願運動を展開している。平成19年度は、当初の計画どおり巨額資本の返還に関する請願運動の全容と歴史的意義の解明をはかるため、まず請願運動に関わる歴史資料の調査を東京都や熊本県で実施し、次に調査資料の分析による成果を学会(明治維新史学会関東例会・2007年度秋期大会)で発表、最後に学会で発表した内容を論文化して学術雑誌(『明治維新史研究』)に投稿した。よって、当初に掲げた2007年度の研究実施計画は、計画どおり順調に達成することができた。 また、当初の研究実施計画以外でも、明治維新期の地域社会研究に関わる成果をいくつか実施することができた。学会報告では、「維新期・身分制解体過程における地域社会と在御家人」と「近世地方役人から近代区町村吏へ」の2本の口頭報告を行った。研究論文では、「近世地方役人から近代区町村吏へ」(『伝統日本社会と近代化』に収録、2008年3月)を公表することができた。
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Research Products
(5 results)