2008 Fiscal Year Annual Research Report
架橋反応を利用した生吸収性HA/PLA複合材料の機械的特性および破壊靭性改善
Project/Area Number |
07J09641
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
高山 哲生 Kyushu University, 応用力学研究所, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 生体吸収性材料 / 機械的特性 / 破壊靭性 / 架橋反応 |
Research Abstract |
平成20年度の研究では,前年度作製したバイモーダル型HA/PLLA複合材料に対してリン酸緩衝液を用いて加水分解試験を行った後曲げ特性評価を行い,モノモーダル型と比較することでHA粒径分布がHA/PLLAの分解特性に及ぼす影響について調べた.また,HA/PLLAの機械的特性・破壊靭性の改善を目的として延性生体吸収性高分子であるポリカプロラクトン(PCL)を添加し,PCL添加が機械的特性・破壊靭性および破壊メカニズムに及ぼす影響について調べた.得られた結果は以下の通りである. (1)バイモーダル型HA/PLLA複合材料の加水分解特性 HA粒径がHA/PLLAの加水分解特性に及ぼす影響を調べるためにマイクロ(平均粒径:5□m)およびナノ(平均粒径:100nm)を15wt%分散させた材料を作製し,加水分解試験を行った後曲げ特性評価を行ったところ,マイクロを分散させた場合,加水分解期間が増加しても12週までは曲げ強度および曲げ弾性率は変化せず,18週で曲げ強度のみ低下した.ナノ粒子のみを分散させた場合,加水分解期間の増加に伴い曲げ強度は変化しないが,曲げ弾性率のみ低下していく傾向を示した.一方,マイクロとナノの割合を1:1で混合し粒径分布のバイモーダル化を行った場合,加水分解期間の増加に伴い,曲げ強度および曲げ弾性率はともに低下していく傾向を示した. (2)HA/PLLA/PCL/LTI複合材料 PLLAにHAを10wt%分散させた複合材料にPCLを10phrブレンドすることで破壊挙動の延性化が可能であり,破壊靭性も改善できることがわかった.さらにリジントリイソシアネート(LTI)を1phr添加することによって破壊靭性はさらに改善できることもわかった.これはPCLブレンドによってマトリクスの延性変形が増大し,さらにLTI添加によってマトリクスの相容性およびHA粒子とマトリクスの界面強度が改善されたためと考えられる.
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Research Products
(7 results)