2007 Fiscal Year Annual Research Report
活断層から発生する大地震の連動パターン解明の古地震学的研究
Project/Area Number |
07J09664
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
近藤 久雄 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, 活断層研究センター, 特別研究員(PD)
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Keywords | 活断層 / 古地震学 / 変動地形学 / 地震地質学 / 歴史地震 / 国際情報交換 / トルコ |
Research Abstract |
トランスフォーム型プレート境界断層である北アナトリア断層を対象として,2007年10月に室内の空中写真判読作業および野外調査を実施した.野外調査では,トルコ鉱物資源開発調査総局の協力を得て,1942年にNiksar-Erbaa地震を発生させた約47kmの断層区間を対象として,地表踏査およびトレンチ掘削調査をおこなった.1万分の1空中写真判読と地表踏査,現地住民への目撃情報を収集した結果,1942年地震に伴って活動した断層区間をほぼ特定することができた.トレンチ掘削調査では,過去の断層活動時期と地震に伴う変位量を解明するため,三次元的な地質構造を復元する4条のトレンチと平面掘削を実施し,1942年の活動に先行するイベントとそれに伴う横ずれ量を明らかにした.現地で採取した試料について放射性炭素同位体年代測定を依頼した結果,1942年に先行するイベントは,西暦1668年の歴史地震に対応する可能性が暫定的に得られた.トレンチ掘削調査地点周辺では,1942年地震に伴って2-3mの地表変位が生じたことが地元住民への聞き取り,地形計測,既存文献から明らかになり,トレンチで復元された1942年地震に先行するイベントに伴う横ずれ量は,1942年よりも大きかった可能性がわかった.また,2008年度に同地点での追加調査を実施し,さらに詳細に過去の大地震に伴う断層活動史を復元することが重要であることがわかった.以上の成果の一部を広報誌で速報的に公表した.
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Research Products
(6 results)