2007 Fiscal Year Annual Research Report
日・比間の双方向的な移動による在日フィリピン人ネットワーク構築の人類学的研究
Project/Area Number |
07J09769
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
永田 貴聖 Ritsumeikan University, 大学院・先端総合学術研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 国際研究者交流 / トランスナショナル / 人類学 / 民族誌 / 移動 / 国際社会学 |
Research Abstract |
平成19年度、これまで日本、フィリピン双方において実施したフレキシブルな調査により、日比間の双方向的な移動による国境を越えたネットワークの詳細を民族誌として記述し、いくつかの学術論文としてまとめた。さらに、これらの論文は再検討、加筆修正された。研究実施計画の予定よりも一年早く学位申請論文を提出し、博士号を取得した。 また、日常の研究活動から認識した資料や、調査の不足部分を補うために、短期間(合計で33日間)であるが二度フィリピンに渡航し、新日系人関連の資料や、関係団体への聞き取り調査、フィールドワークが実施された。海外調査の継続的な実施は、現在進行形で起こっている、マニラ首都圏を中心に活動する非営利団体が日比二世や、日系人たちの移住、日本での就労先の斡旋などの活動を行なっていることの動向についてこれまで以上に把握できた。 これら非営利団体の活動については学位請求論文に、日比間の双方向的な移動の、近年のフィリピンから日本への移動を促進する動きの一つとして論じた。 平成20年度は、今年度も成果を踏まえつつ、国内、海外でのアウトリーチ活動をより積極的に行いたい。既に、「研究の目的」において述べたように、90年入管法改定以降多様化しているフィリピン人による日比間の移動はこの研究により、解明されつつある。80年代以降から続いているフィリピン人女性契約労働者の来日は、2005年、日本政府が「興行」在留資格発給要件厳格化により激減した。さらに、2007年に日比両政府が締結した日比経済連携協定がフィリピンの上院議会で批准されず、フィリピン人介護士看護師の候補者が来日していない。この様な現状の変化の中で、日本人と家族関係をもつ在留資格の取得や、日本国籍をもつ人々によるフィリピンから日本への新たな移動現象を分析することは急務の課題である。
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Research Products
(4 results)