2007 Fiscal Year Annual Research Report
非接触走査型非線形誘電率顕微鏡による有機・生体分子の高分解能測定
Project/Area Number |
07J09779
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
加藤 未来 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 走査型プローブ顕微鏡 / 有機半導体 |
Research Abstract |
プローブ用探針を試料に対して非接触状態に保つ方法として、音さ型水晶振動子を変位センサーとして応用する方法を用いた。プローブ用探針の振動振幅が十分小さくないと非接触制御できないため、音さ型水晶振動子を非接触原子間力顕微鏡に応用するためには、音さ型水晶振動子の振動振幅が十分小さいことを確認する必要がある。音さ型水晶振動子の振動振幅が小さくても大きい出力電流を得るため、いくつかの市販製品を分解して振動振幅測定を評価し音さ型水晶振動子の選定を行った。音さ型水晶振動子の出力電流を高感度に検出するために、オペアンプを選定し、理論雑音と同程度の低ノイズ電流・電圧変換器の作製を行った。また音さ型水晶振動子の2つの電極の片方を非線形誘電率顕微鏡の高周波用の電極と共有する回路を着想し、これを作製した。 音さ型水晶振動子の片側の先端に市販のカンチレバーのてこの部分を切断して導電性接着剤で固定し、市販の走査型プローブ顕微鏡に組み込み動作確認を行った。その結果、作製した装置は非接触原子間力顕微鏡として動作することを確認し、また探針を振らさずに試料に接触させたときには非線形誘電率顕微鏡として動作すること確認。今後は音さ型水晶振動子の探針を振らして非接触状態で非線形誘電率顕微鏡として動作することを確認する。 また、いくつかの有機・生体試料を接触走査型非線形誘電率顕微鏡の探針を試料に接触されることによって、試料から静電容量の応答が出力されているかどうかの確認を行った。結果として、高分子系有機半導体である自己ドープ型ポリアニリンでは非線形誘電率顕微鏡の信号が出力されることを確認した。また、これらの材料は探針を走査させると試料が破壊されるということを確認した。
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