Research Abstract |
セマンティックWebは,ソフトウェアが意味理解可能な辞書(領域オントロジー)に基づいて,Webコンテンツにソフトウェア可読なメタデータを付与することによって,ソフトウェアがWebコンテンツを理解し,推論することを可能にしようという試みである.しかしながら,領域オントロジーは,現状では人手によって構築されており,多大なコストを要している.本研究では,既存リソースを活用したセマンティックWebにおける領域オントロジー構築支援方法論の提案および構築支援ツールの開発を研究目的とする. 19年度は,研究実施計画に基づき,セマンティックWebにおける領域オントロジー構築支援に利用可能だと考えられる既存リソースの調査を行った.その結果,半構造データであるWikipediaおよびFolksonomyタグに着目し,領域オントロジー構築支援への活用を検討した.IT関連の文書を対象にしたケーススタディを通して,FolksonomyタグおよびWikipediaマイニングに基づいて得られた語彙間の関連度を用いて,概念定義支援を行うことができることを確認した. 既存領域オントロジーの再利用については,オントロジー検索エンジンSwoogleを用いた既存領域オントロジーの獲得機能,獲得した領域オントロジーのランキング機能,既存領域オントロジー(OWL形式)を参照オントロジーとして利用する機能を,現状の領域オントロジー構築支援ツールに対して拡張した.ケーススタディとして,国際売買法に関する領域オントロジー構築に再利用可能な既存オントロジーの獲得を試みた.結果として,上位にランキングされたオントロジーの大部分は汎用オントロジーであったが,一部,電子商取引に関する領域オントロジーを獲得することができた.それらには,法律に関する概念がいくつか定義されており,国際売買法に関する領域オントロジー構築に再利用可能であることを確認した. 開発した領域オントロジー構築支援ツールは,sourceforge. netにて,フリーソフトウェアとして公開した.(URL:http://doddle-owl.sourceforge.net/)
|