2007 Fiscal Year Annual Research Report
同時制御下のmiRNAsによる協調的遺伝子抑制機構の検証
Project/Area Number |
07J09861
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤田 修二 The University of Tokyo, 大学院理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 分子生物学 / 生化学 / miRNA / AP-1 / 転写 / フィードバック制御 / プロモーター / バイオインフォマティクス |
Research Abstract |
最新の各脊椎動物の配列情報(hg18,NCBI build 36)を用いて、miRNAプロモータ予測を行った。予測されたプロモータ群について情報学的、実験的に検証し、精度を確認した。これらの研究についてはBioinformatics誌に発表した。今後はENCODEプロジェクト等、大規模実験解析のデータも蓄積しつつあるので、例えばそれらを利用することで改良できるかもしれない。一方我々は予測し、実証したプロモータのうちmiR-21に関しても解析を進め、その標的遺伝子であるNFIBがmiR-21のプロモータにネガティブレギュレータとして結合することを明らかにした。これはmiR-21遺伝子が標的遺伝子を介してフィードバックな制御を受けていることを意味し、我々は外来からmiR-21遺伝子を発現するウイルスベクターをHL-60細胞に導入することでこれを実証した。特にmiR-21とNFIBは脊椎動物間で高度に保存されることからも、このようなロバストな制御が細胞にとって重要な機能を持つと考えられ、今後はその点についても検証を進めたい。また、今回のmiR-21の解析においてHL-60をMAで刺激した際、miR-21とは独立にNFIBの転写が抑制されることを発見した。この刺激の際にmiR-21を阻害するとNFIBのmRNAは回復しないが、タンパク質は回復することが観察された。そのため、miR-21はPMA刺激におけるNFIBの減衰を加速させる効果があると考えられる。これは転写制御と転写後制御による遺伝子の多層制御が単にfail-safeシステムを構築するだけでなく、時間軸にも影響を与えることを示唆する。以上の成果についてはJournal of Molecular Biologyに発表した。
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Research Products
(2 results)