2007 Fiscal Year Annual Research Report
機能性材料のデザインのための配列パターン解析手法の開発
Project/Area Number |
07J09883
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
富田 康之 Nagoya University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 酵素 / ペプチド / 機能性材料 / パイオインフォマティクス / アライメント |
Research Abstract |
酵素活性やペプチドの機能性のような生体反応は、置換されたアミノ酸の組み合わせなど、多くの因子が複雑に相互作用して変化する。本研究では、このような機能性材料を対象として、相乗効果を示すようなアミノ酸配列を設計する新規バイオインフォマティクス技術の開発を目的としている。具体的には、以下の2つのアプローチから従来法における問題の解決を行った。 (1)酵素活性、機能性を持つために必要な共通配列(モチーフ)の探索を、サイズ、疎水度、電荷のようなアミノ酸の物理化学的性質を用いて行った。 (2)活性配列のみを用いて共通モチーフを選択する従来の方法とは異なり、非活性配列の情報も加えた。 (1)により、従来法と比較して、より多くのペプチドの機能性を説明できるMHC class IIへの結合モチーフを選択することができた。一次構造だけでなく、アミノ酸の性質が重要なモチーフ探索に有用な手法であると考えられる。 (2)により、はじめのスクリーニングではワイルドタイプの10倍以上の活性を示す変異体酵素は800個中1つであったが、情報解析により得られた高活性を示すルールに当てはまった候補を12個試しに実験を行って確認したところ、12個中5つが10倍以上の活性を示し、最も活性の高いもので20.7倍の変異酵素が得られた。このことから、高精度な判別も行うことが可能となり、確実に機能性をもつ配列を獲得できる可能性が広がり、未知の配列を探索する実験労力、コストの低減をサポートする手法となることが期待される。
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Research Products
(2 results)