2007 Fiscal Year Annual Research Report
若年者の職業決定支援システムの開発と普及に関する実証的研究
Project/Area Number |
07J09919
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
益田 仁 Kyushu University, 大学院・人間環境学研究院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 就業支援 / 非正規雇用労働者 / 下層労働者 |
Research Abstract |
本研究の目的は、(1)若年者の職業決定を支援するシステムの開発と、(2)導入モデルの策定、(3)デモンストレーションの実施をすることにある。具体的には、「職業評価指標」を開発し、そのテスト及び具体的効果を実証的に測定することである。 本年度は、上記の(1)の段階(若年者の職業決定を支援するシステムの開発)に取り組んだ。当初は「指標の開発」を本年度の研究計画としていたが、時勢により同類の目的を持った施策が次々と実行に移されていること(例えば関係省庁が協働する「若者自立・挑戦プラン」による「ニュートラ」の構築、「なるにはメッセ」の実施、ハローワークの強化、日本版デュアルシステムの実施等)、また一つの指標の開発のみに心血を注ぐよりも、より包括的、かつ学問的に「就業支援」全体に取り組む方が有益かつ生産的であると判断し、今年度は若年層以外の就業決定支援システムを参考に、そこで積み上げられてきた知見を取り入れ、それを本研究の礎石とすることを目的とした。具体的には中高年層の就業を(ギリギリのラインで)支援している「ホームレスの就業自立支援」に着目し、本研究にとって参考となる支援体制を導き出した。ホームレスの就業支援に着眼したのは、当該事業は労働市場において下層に組み込まれやすい中高年層の就業を手助けしているため、若年非正規雇用者(の就業支援)にとっても参考となる点が多いと判断したからである。本年度は「NPO法人 北九州ホームレス自立支援機構」の支援活動に自ら参与し、二つの調査(自立支援センター退所者調査、自室支援住宅退所者調査)を通じて次の知見を得た。 ・就業支援の具体的なプロセスとハローワークとの有機的な連携について ・職業生活を円滑に送っている人とそうでない人(=離職する人)とでの、社会的属牲と支援段階における手続きの差についてこうして得られたノウハウ(若年層の就業支援において参考とすべき点・留意すべき点)は、今後の支援システム開発の屋台骨となり、来年度以降の研究の発展につながるものである。
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