2008 Fiscal Year Annual Research Report
若年者の職業決定支援システムの開発と普及に関する実証的研究
Project/Area Number |
07J09919
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
益田 仁 Kyushu University, 大学院・人間環境学研究院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 就業支援 / 非正規雇用労働者 / 下層労働者 |
Research Abstract |
本研究の目的は、(1)若年者の職業決定を支援するシステムの開発と、(2)導入モデルの策定、(3)デモンストレーションの実施をするしとにある。具体的には、「職業評価指標」を開発し、そのテスト及び具体的効果を実証的に測定することである。 本年度は、上記の(1)〜(2)の段階(若年者の職業決定を支援するシステムの開発と導入モデルの策定)に取り組んだ。当初は「指標の開発」を研究目的としていたが、時勢により同類の目的を持った施策が次々と実行に移されていること(例えば関係省庁が協働する「若者自立・挑戦プラン」による「ニュートラ」の構築、「なるにはメッセ」の実施、ハローワークの強化、日本版デュアルシステムの実施等)、また一つの指標の開発のみに心血を注ぐよりも、より包括的、かつ学問的に「就業支援」全体に取り組む方が有益かつ生産的であると判断し、今年度は若年層以外の就業決定支援システムを参考に、そこで積み上げられてきた知見を取り入れ、それを本研究の礎石とすることを目的とした。具体的には中高年層の就業を支援している「ホームレスの就業自立支援事業」に着目し、本研究にとって参考となる支援体制を導き出した。具体的には「NPO法人北九州ホームレス自立支援機構」の支援活動に自ら参与し、二つの調査(自立支援センター退所者調査、自立支援住宅退所者調査)を通じて得た知見を学会にて報告した。 こうして得られたノウハウ(若年層の就業支援において参考とすべき点・留意すべき点)は、今後の支援システム開発の屋台骨となり、来年度以降の研究の発展につながるものである。 また、こうした活動と同時並行的に、若年の非正規雇用労働者の生活実態・生活構造・生活意識を、ライフヒストリー法を用いてつぶさに観察する調査にも着手した。具体的には北部九州に住まう若年の非正規雇用労働者10名を対象とし。彼ら・彼女らへの断続的かつ包括的な聞き取り調査を実施した(現在も継続中)。このインタビュー調査は3〜5年のスパンで非正規雇用労働者を追跡調査し、非正規雇用労働者の置かれた社会的状況を彼ら・彼女らの目から捉え返すことを目的としている。
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Research Products
(2 results)