2007 Fiscal Year Annual Research Report
超対称ゲージ理論の非アーベル的クーロン相に関する研究
Project/Area Number |
07J09932
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
八木 太 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 素粒子理論 / 超対称性 / ゲージ理論 / 超弦理論 / ゲージ・重力対応 / 共形場の理論 / クイバー / a-最大化 |
Research Abstract |
4次元N=1超対称ゲージ理論の非自明な赤外固定点(非アーベル的クーロン相)を調べることは、漸近自由なゲージ理論の低エネルギーの振る舞いを知る上で重要である。私は、その中でもゲージ群がSpin(10)でスピノル表現の物質場2つとベクトル表現の物質場をいくつか含む理論の研究を行った。まず、この理論の低エネルギーにおいて近似的に実現していると考えられている超対称共形場の理論において、ゲージ不変なカイラルプライマリー演算子が何かを知るために、古典カイラルリングの解析を行った。さらに、a-最大化法を用いた解析を行い、演算子の共形次元に対するユニタリティーからの制限を考慮することで、どのゲージ不変な演算子が理論からデカップルしているかを詳細に調べた。その結果、ベクトル表現の物質場の数が少ない場合にメソン的演算子がデカップルするという興味深い結果が得られた。さらに、そのようになる理由を電磁双対性の観点から議論した。 また、漸近自由なゲージ理論を理解する上で、弦理論との対応を調べることも重要である。私は、コニフォールドをSU(2)の離散部分群でオービフォールドした空間の先端にD3ブレーンを置いて得られる理論について、弦理論とクイバーゲージ理論の両側からバリオン演算子のスペクトラムを調べ、それらが確かに一致することを確かめた。これは、今まで知られている例が少ない、弦理論の背景時空がノントーリックな多様体の場合のゲージ・重力対応の一例を与えている点で重要である。
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Research Products
(4 results)