2007 Fiscal Year Annual Research Report
バナナ型液晶のSmA類似相における極性構造の解析と新規液晶ディスプレイモード開発
Project/Area Number |
07J09939
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
新保 仁男 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 液晶ディスプレイ / 第二次高調波発生 / SmA類似相 / バナナ型液晶 |
Research Abstract |
本研究の目的は、研究者らにより開発されたバナナ型液晶を用いた新規液晶ディスプレイモードの性能を改善し実用性を高めてゆくというものである。特に、SmA類似相を発現する試料が少ないという点と、スメクチックの層構造が電場により崩れやすいという点を改善することに注力している。 バナナ型液晶を用いて開発した液晶ディスプレイモードの性能改善のために、共同研究者より提供された新規材料の相同定を行い、極性構造解析を光第二次高調波発生法(SHG)をもちいて実施した。これにより既存の液晶試料に比べ広い温度域でSmA類似相を発現する試料の発見に成功した。また、既存試料が2つの液晶相を発現していたのに対し、新規試料は単一の液晶相しか発現せず、この点も今後の性能改善に有効であると期待される。 ポリマーネットワークによるSmA類似相の層構造の安定化を目的として、試料に重合性液晶を混合し紫外線を照射した。本実験では紫外線照射により試料がダメージを受け安定化には至らなかった。しかしながら、この結果は今後の分子設計に関して有用な情報となったと考えている。 SmA類似相の極性構造は電場印加により誘起される。電場誘起極性構造を有する試料として複数末端鎖を有するバナナ型液晶の極性構造解析も行った。これより、バナナ型液晶が発現するカラムナー相において、極性構造が電場により誘起されることを確認した。分極は、カラムを形成する分子会合体が円盤状から円錐状に変形することにより、カラム軸方向に発生することがわかった。本成果は新たな液晶デバイスの作成の可能性を示唆しており、今後のさらなる発展が期待される。
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Research Products
(3 results)